Webクリエイター総合コミュニティ「シナカフェ」2024年12月アドベンドカレンダー 1日目担当のマリコです。

UXデザイナー、ワークショップデザイナーになる!

皆様、こんにちは!UXデザイナーとして活動をしているタグチマリコです。
2024年11月30日、この度、ワークショップデザイナー育成プログラム - 青山学院大学 42期を修了いたしました!

「ワークショップってそもそも何?」と思った方もいるかもしれませんね。
ワークショップとは、参加者が主体的に参加し、体験を通して学びや気づきを得る場のこと。

例えば、新しいアイデアを生み出すためのブレインストーミング、チームビルディングを目的としたゲーム、地域課題を解決するための話し合い、子供向けのアートのワークショップ、シニア向けのレクリエーションなど、様々な形式があります。

WSDは、そんなワークショップを効果的に設計・運営できる、いわば「コミュニケーションの場づくりの専門家」です。

企業研修、学校教育、医療福祉、地域活動など、様々な場面でWSDのスキルが求められています。

ワークショップデザイナー育成プログラム - 青山学院大学

なぜWSDを学ぼうと思ったのか?

UXデザイナーとして活動する中で、クライアントワークショップやWebクリエイター向けの交流イベントなど、様々なワークショップを企画・運営する機会に恵まれてきました。

例えば、わたしが共同運営しているWebクリエイター総合コミュニティ「シナカフェ」 では、たくさんの交流イベントを設計してきました。
とくにオンラインイベントが盛んに行われており、聞き専の方と、積極的に発言するスピーカーが半々くらい参加しています。
多様な参加者がいる状況下では、ファシリテーションの難易度が高く、全員に楽しんでもらうにはかなりのスキルが必要です。

また、シナカフェとは別のイベントで、YUCO Designさん共催で、マーケティングミックスのUXデザインアプローチ(ユーザーインタビュー・リサーチ・分析をもとに新規事業開発〜ビジュアル作成含んだプレゼン)を取り入れた、週末3日間のデザイン合宿・デザインブートキャンプ(通称:DBC) を大阪と東京で開催しました。

これらの経験を通して、ワークショップデザインの重要性を改めて認識し、以前から興味のあったWSDの資格取得を目指すことにしたのです。

なお、WSDプログラムには、教育関係者、キャリアコンサルタント、人事、わたしを含むデザイン関係者、様々な分野の方が参加していました。

実は、UXデザイナー界隈はWSDを持っている人が多く(マリコ調べ)、特にデザイン思考の教育に携わる方々はほとんど持っているんです。
「みんな持ってるなら、私もWSDの資格を取ってみようかな・・・」というのが、WSDを学ぼうと思ったきっかけでした。

WSDで学んだこと

WSDのプログラムでは、「学習とは何か」という基本的な学習の姿勢から理論を学び始め、ワークショップデザインの理論と実践を3ヶ月間かけてじっくり学びました。

私が受講したのは、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式の「オレンジコース」。ほぼ毎週土日のどちらかに授業があり、講義や演習以外にも、レポート課題に追われる日々でした。

内容は本当に楽しく面白く、理論を学びつつワークショップを経験し、企画し、実行し、省察する。その繰り返し。
ドナルド・A・ショーンの省察的実践などの理論を学びながらリフレクションを行ったり、お互いの認識のギャップをモニタリングしたりと、とくにメタ認知能力が鍛えられました。

専門家の知恵: 反省的実践家は行為しながら考える 単行本 – 2001/5/1
ドナルド ショーン (著), Donald A. Sch¨on (原名), 佐藤 学 (翻訳), 秋田 喜代美 (翻訳)


ワークショップを成功させるには、参加者の状況や気持ちを把握することが重要なので、メタ認知能力は必須スキルなんですね。

3ヶ月という短い期間でしたが(時間外の学習も相当なものでしたが)、コルブの「経験学習モデル」に基づいたプログラム構成で、濃密な学びを得ることができました。

デービッド・コルブの経験学習サイクルとは?

コルブの経験学習サイクルとは、人が経験を通してどのように学習していくのかを4つの段階で表したものです。

経験学習サイクル.png 70.71 KB
経験から学ぶ力の3要素.png 144.98 KB


図1 経験学習サイクル
1. 具体的経験: まずは、何か具体的な経験をします。WSD講座では、ワークショップを実際に体験したり、グループワークに取り組んだりしました。
2. 内省的観察: 次に、その経験を振り返り、自分自身の行動や感情、周りの人の反応などを観察します。「あの時、なぜあんな風に感じたんだろう?」「周りの人はどう思っていたんだろう?」と考えることが重要です。
3. 抽象的概念化: 経験から得られた気づきや学びを、言葉や概念を使って整理・分析します。WSD講座で学んだ理論と照らし合わせながら、自分なりの解釈を深めていきます。
4. 能動的実験: 抽象的概念化で得られた学びを、新たな状況で試してみます。WSD講座で学んだことを活かして、実際にワークショップを企画・運営してみることで、さらなる学びを得ることができます。

国内だと、図2(経験から学ぶ力の3要素)の松尾氏の書籍が有名です。

この4つの段階を繰り返すことで、人は経験から学び、成長していくことができるのです。

先生方の講義進行が学びの場!

WSDのプログラムで印象的だったのは、先生方の講義やプログラムの構成そのものが、ワークショップデザインを体現していたことです。
3ヶ月間のプログラム構成も、コルブの経験学習サイクルに基づいて設計されており、まさに「生きた学び」の場でした。

先生方やスタッフの方々の言葉や行動の一つひとつが、ワークショップデザイナーとしてのスキルアップに繋がったと感じています。

これからは理論に基づいたワークショップを!

これまで私は、ワークショップやイベントを企画・運営する際に、KKDならぬKKKD(勘・経験・コミュ力・度胸)でなんとか乗り切ってきました。もちろん大事ではあるのですが、頼りすぎていました。

しかし、今回WSDでワークショップデザインの理論体系を学んだことで、場当たり的な対応ではなく、しっかりと根拠に基づいた企画・運営を行うことの重要性を認識しました。
今後は、WSDで得た知識やスキルを活かし、参加者にとってより効果的で有意義なワークショップをデザインしていきます。

来年には、WSD修了者のみが受験資格を持つ、認定ワークショップデザイナー の資格取得を目指します!

WSDで得た知識やスキルを活かして、より良いワークショップをデザインし、社会に貢献していきますので、今後の活動にご期待ください!

シナカフェにも、ぜひ遊びにきてね!

クリエイターズ・シナジーカフェ



なお、最終日、青学のマスコット「イーゴ」くんが来ていたので、幼稚舎の子の列に1人並んで、写真撮ってもらいました。かわいい。

IMG_7884.JPG 8.8 MB

P.S.

ちなみに、WSDの演習(つまり一番大切なワークショップの企画や実習)が、主催していたイベント(DBC)と度々かぶってしまい、ワークショップをするためにワークショップを休むということを繰り返して、あと1回欠席・遅刻したら修了できないところまで来ていました。
補講課題もフルで提出しました。

台風による日程変更でWSDの演習とめちゃくちゃ被った
YUCO designさんと共催のデザイン合宿「デザインブートキャンプ(DBC)」

240702_DBC_ad_osaka.png 3.83 MB241004_dbc_tokyo_ページ_01.jpg 1.1 MB


DBC大阪
DBCの様子3.JPG 4.28 MBDBCの様子4.JPG 3.17 MBDBC東京
DBCの様子5.jpeg 250.64 KB
また、申込7,000名越えの CSS Niteさま主催 #朝までFigma にも登壇しました。

朝までFigmaの様子1.jpeg 221.6 KB
オンラインならFigJam、対面なら模造紙・付箋・ペンを比較的活用しています。

学びがそのまま実務で活かせて捗っていた一方で、グループの皆にかなりご迷惑をおかけしました。そして、先生やスタッフの皆さんにも支えていただきつつ、たくさんの学びを得られました。本当にありがとうございました。