こんにちは。Webクリエイター総合コミュニティ「シナカフェ」2024年12月アドベンドカレンダー 5日目担当のpepeです。
私は今年40歳を迎えたWebディレクターですが、社内事情で印刷からWebに転身したため、Web歴はまだ5年目のひよっこ。知らないこと、できないことばかりです。
そんな状態で昨年末に考えたのが、次のことを今年1年やりきるということでした。
・年始に今年やることを決める
・決めたことを終わるまでやる
・毎週その記録をnoteに残す
・それをシナカフェに投下する
・これらに意味があるか、もっと効率的なやり方はないかと疑わない
40歳は不惑と言いますが、惑いに惑って迎えた40歳。どうしたら「不惑」になれるかを考えた結果、何も考えなければ迷わない、何も考えずにとにかく決めたことをやろう、と思ったのです。
マンダラートで今年やることを考えてみた
そして迎えた今年の1月。やるべきことをもう少し具体的に考えたいと思って参加したのが、シナカフェのイベント「マンダラートで2024年の目標を設定してみるぞ!」でした。
https://community.creators-synergy-cafe.com/events/a5897ecc722e
大谷選手が高校時代に作っていたことで一躍有名になったマンダラートですが、いざ作り始めると全81コマをすべて埋めるのは至難の業。中心に書いた目標を達成するためにはこういう力が必要だし、そのためにはこういう取り組みが必要だし、継続的に取り組むためにはメンタルの安定が必要だし…と数珠つなぎに考えていくと、次第に「何これ?」「こんなのでいいの?」というコマが出てきます。
ところが、定期的にマンダラートを見直しながら、やるべきことを終わらせていく中で、実はこの「何これ?」なコマが割といい働きをしているということに気付きました。ここでは、効果的だった「何これ?」なコマたちをいくつかご紹介します。
①通勤電車で人と人の間に座らない
通勤、退勤の電車の時間(25分×2)を勉強時間として確保したい。継続的に電車で勉強するためにはどうしたらいいかと考えてコマに書き込んだのが、こちらです。
人と人の間に座ると、テキストなり携帯なりを見るのに気を遣うし、何よりどうしてもまぶたを閉じてしまう(特に朝は)。だったら立っていよう、25分だし。ということだったのですが、これは何気に効果的でした。立っていると手持ち無沙汰なので、自然とKindleのテキストや携帯にメモした用語集を読むようになりました。
すごく空いている時は躊躇なく座りましたが、そんな日に目を閉じずにテキストを開くと、「なんて偉いんだ、自分!」という気持ちになれるという想定外の効果もありました。(もちろん目を閉じた日も数知れず。)
②金曜の夜に、拭き掃除をする
私はものぐさな性格なので、掃除をこまめにするのが苦手です。一方で、それなりにきれい好きでもあるので、部屋が汚いと気分が落ち込みます。そこで、メンタルを安定させるために、土日の休みを控え、一番気持ちが高ぶっている金曜日の夜に、面倒な拭き掃除だけ終わらせるというコマを作りました。
拭き掃除と言っても、棚や机などのほこりが目に見えやすいところを雑巾で拭くだけです。そんなことすらもやる気がしない時が多いのですが、実際に始めてみると、気持ちに余裕がある金曜の夜なら、ごきげんに雑巾を掛けられることに気付きました。
簡単な拭き掃除をしてから風呂に入り、ちょっとだけきれいな部屋に戻ってくると、なんだか気分よく床に就けます。そして、土曜も少しだけ気分よく目覚めることができ、「よし、ちょっと勉強でもするか」などと思えるのでした。
③悪いことが重なった日は、カラオケに行かなくてはいけない
仕事をしていると、なぜか悪いことが重なりに重なる日があります。そんな日は家に帰ってもイライラするし、そのまま次の日に引きずる可能性もあります。そこで設けられたのが、そんな日はカラオケに”行かなければいけない”というコマです。
そのため今年は、悪いことが続き、さらにまだ悪いことが起きた瞬間に、「あー、今日はカラオケ行かなきゃいけないじゃん。ルールだからね。ルールだからしょうがないよね。」と思っていました。振り返ると、そう思っている時点であまり落ち込まずにすんでいる気もします。
「ルールだから」と思うと、不思議と一人カラオケの恥ずかしさも薄れるものです。結局ルールが適用されたのは5、6回だったと思いますが、大きな声を出すとやっぱり気持ちがすっきりして、引きずらずに翌日を迎えられる感じがありました。
ちなみに、次にカラオケに行くときにはこの歌を歌ってみようという意欲が生まれ、数年ぶりにレパートリーが増えるという副次的な効果(?)もありました。
マンダラートは「何これ?」なコマが大事なのでは?
1年を終えてあらためて振り返ってみると、マンダラートに書き込んでいた次の①〜③は、マーケティングでいうKGI、KPIとその施策だったことに気付きます。
①:中心の1コマ →KGI(最終目標)
②:中心の周りの8コマ →KSF(①を達成するために実現すべき状況)やKPI(①を達成するために実現すべき数値目標)
③:②の8コマの周りに派生する8コマ(8コマ×8コマの計64コマ) →②を達成するための施策
通常のマーケティングと比較すると、マンダラートの特徴は③にありそうです。一つのKPIに対する施策は通常3つくらいですが、マンダラートでは倍以上(8つ)考える必要があります。そのため、ひねり出した感が強い「何これ?」なコマも出てきます。
しかし、「自分の場合はこれがKPI達成につながるのかも?」くらいの無理くり感で作ったコマだからこそ、その人のパーソナリティが強く反映された、オリジナリティのある効果的な施策になるのかもしれません。
大谷選手のマンダラートが話題になった時に、中心に書かれた「ドラ1 8球団」と同じかそれ以上に、「ゴミ拾い」というコマに注目が集まりました。大谷選手は「ドラ1 8球団」を達成する要素の一つとして「運」をあげ、そのための施策として「ゴミ拾い」と書いたのです。「運」の周りにはほかにも「道具を大切に使う」「審判さんへの態度」などのコマがありました。
マンダラートを事業計画と考えると一見「何これ?」な気もします。でも、大谷選手には、それらの日常的な行為が「運」を呼び、「ドラ1 8球団」という未来につながるというロジックがあり、何よりそれが自分にとってしっくりくるものだったのではないでしょうか。
なぞなぞの答えはもちろん…
さて、タイトルの「まんなかは未来、まわりは日常。これなーんだ?」の答えは、もちろん「マンダラート」です。調子に乗って格言めいた言い方をすれば、「マンダラートとは望ましい未来を手に入れるために必要な、64個の日常の過ごし方を考えるものである。」なんて言えるかもしれません。来年もイベントが開催されるようであれば、また参加してみたいと思います。
最後になりますが、そんな私がマンダラートの中心に書いた未来は「やりたくないことをしない生活」です。そんな日がいつか来るのか来ないのか、そもそもそれはどんな生活なのか。肝心の中心部分はいまだぼんやりしたまま、電車で立ったり、金曜の夜に掃除したり、一人カラオケをしたりする日々は続きます。